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テンセントの2024年第2四半期決算:ゲーム事業の回復により収益が8%増加

テンセントの2024年第2四半期決算:ゲーム事業の回復により収益が8%増加

中国のテクノロジー大手テンセントホールディングスは、8月14日(水)の決算説明会にて2024年第2四半期の決算を発表し、1,611.2億元の収益であったことを公表しました。また、これは前年同期比で8%の収益増加を意味し、国内ゲーム事業の回復や海外ゲーム事業の継続した成長が要因であると同社は述べています。この結果はアナリストの予想を上回るものとなり、同社の成長戦略の成功を示していると言えるでしょう。

なお、国内ゲームとしては、特に「Dungeon & Fighter Mobile(ダンジョン&ファイターモバイル)」がリリース後安定したパフォーマンスを見せており、ゲーム事業の回復を牽引しています。また、シューティングゲーム「Valorant(ヴァロラント)」などのグローバルヒットタイトルが、海外ゲーム事業の好調を支えています。

テンセントとは?

テンセントといえば、1998年に設立された中国のインターネット企業であり、ゲーム事業に加えてメッセージング、ソーシャルネットワーキング、デジタル広告など幅広い分野で事業を展開しています。そして、特に同社が提供するメッセージングアプリ「WeChat(微信)」は同社の代表的なサービスです。

そして、この「WeChat」内で展開されているミニゲームの成功も、今回の収益増加に大きく貢献しています。最近では、「羊了個羊」と呼ばれるミニゲームが中国国内で大流行し、それをきっかけにコンテンツが多角化しています。また、テクノロジーの進化により、最新のカジノ体験ができるオンラインカジノがインターネット上で普及していいますが、このようなITを活かしたコンテンツもミニゲームとして提供され、ユーザーの日常生活に深く浸透しています。(ソース: techreport.com

また、「WeChat」のミニゲームは旅行チケットの予約や請求書の支払いなど、他の便利な機能と共存しており、ユーザーの利便性を高めています。その結果、2024年第2四半期にはミニゲームからの総収入が30%以上増加し、テンセントのゲーム事業を下支えしています。

テンセントの新た収益源

テンセントは新たな収益源の開拓にも積極的です。現在、AppleのiOSプラットフォーム上でのアプリ内課金による収益化について、Appleと協議を進めています。これが実現すれば、iOS利用者からの収益が増加し、ゲーム事業のさらなる成長が期待できるでしょう。

また、テンセントはゲーム事業の他にも、クラウドコンピューティングや人工知能(AI)といった先進技術への投資を進めています。これにより、同社はゲーム以外の分野でも競争力を強化し、新たな市場機会を開拓しようとしています。特に、AI技術の進展により、ゲーム開発プロセスの効率化や、ユーザー体験の向上を図ると同時に、クラウド事業の成長にも貢献しています。

ESGの取り組みも積極的

さらに、テンセントは環境・社会・ガバナンス(ESG)への取り組みを強化しており、再生可能エネルギーの利用拡大や、デジタルインクルージョンの推進を通じて、持続可能な成長を目指しています。このような包括的な戦略により、テンセントは長期的な競争優位を確保し、さらなる成長を続けていくことが期待されています。

また、テンセントは世界市場への進出を加速しており、特に東南アジアや南アジアといった成長著しい地域において、現地企業とのパートナーシップを強化しています。これにより、同社は国際市場でのプレゼンスをさらに拡大し、収益基盤を強固なものにしています。

まとめ

テンセントの成功は、単なる技術革新だけでなく、ユーザーのニーズを的確に捉えたサービス提供と、グローバル市場への積極的な展開に支えられています。今後も同社の動向には注目が集まることでしょう。